TRUMPF社製TruPulse nano S type パルスファイバーレーザーは、M2値が1.3以下のシングルモードファイバーレーザーです。本レーザーは発振方法はMOPA方式であるため、高周波数で高ピークパワーを維持することができます。最大の特長はPulseTuneの機能です。”EP”タイプの場合、40種類以上のパルス波形から用途に応じて任意にパルス波形を選択して使用することができます。
たとえば100Wモデルの場合、0.75mJのパルスを140kHzで発振することができますが、一方で30μJのパルスを約3MHzで発振することもできます。この時のピークパワーは前者では11kWですが、後者の場合でも9kWとなり、高周波数で高ピークパワーのパルスを発振することが可能です。
このPulseTune機能により、1台のレーザー発振器でさまざまな対象物にご使用いただくことが可能です。TruPulse nanoシリーズの中でも”EP-S”タイプは最もビーム品質が高いモデルのため、切断や深堀などできるだけビームを集光させる必要のある用途に適しています。さらに、どのモデルのレーザー機器の冷却方法も水冷式ではなくファン空冷式となるため、チラー等の付帯設備を必要としないこともメリットの一つです。
モデル | TruPulse nano S type | ||||
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波長 | 1060nm | ||||
M2 | <1.3 | ||||
平均パワー | 20W | 20W | 30W | 50W | 100W |
PulseTune機能 | 有り(HS) *1 | 有り(EP) *2 | 有り(HS) *1 | 有り(HS) *1 | 有り(EP) *2 |
ビーム伝送ケーブル長 | 2m | ||||
ビーム伝送オプティック/コネクター | ILOC/ILLK | ILLK | ILOC/ILLK | ||
パルスパラメータ― | |||||
最大ピークパワー | >7kW | ||||
最大パルスエネルギー | > 0.6mJ | > 0.8mJ | > 0.6mJ | > 0.6mJ | > 1mJ |
繰り返し周波数 | 1-1000kHz | 1-4000kHz | 1-1000kHz | 1-1000kHz | 1-4000kHz |
パルス持続時間 | 10-240ns | 3-2000ns | 10-240ns | 11-220ns | 4-2000ns |
PulseTune波形 | 24 | 48 | 24 | 24 | 47 |
CWモード | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
CWモードでの変調範囲 | 1-100 kHz | 1-100 kHz | 1-100 kHz | 1-100 kHz | N/A |
出力パワー安定性 *3 | < 8 %p-p | < 5 %p-p | < 5 %p-p | < 5 %p-p | < 5 %p-p |
冷却方式 | 空冷 | ||||
環境要件 | |||||
温度範囲 | 0-45℃ | 0-45℃ | 0-45℃ | 0-42℃ | 5-40℃ |
相対湿度範囲 | 5~95%RH(結露なし) |
*1 HS (High Specifications) シリーズ:パルス幅可変、25パルス波形、高い操作性、CW変調機能、パルス繰返し周波数 最高1MHz
*2 EP (Extended Performance) シリーズ:40パルス波形、最高機能、高い操作性、CW変調機能、高パルスエネルギー&ピークパワー、パルス幅 3-2000 ns、パルス繰返し周波数 最高4MHz
*3 平均出力パワー、波形0、最大パルスエネルギー、全動作の温度範囲で測定。 ビーム伝送ケーブルが長いモデルでは、記載されているよりもピークパワーが低くなることがあります。